スイスメイド基準とは|ムーブメント原産地の条件
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結論(先に)
「スイス製ムーブメント」や「Swiss made」の表記には、スイス時計協会(FH/Fédération de l’industrie horlogère suisse、以下FH)が公式に解説する法的な条件がある。僕がfhs.swissの公式解説で確認した範囲では、腕時計に「Swiss made」と記すには最低60%のスイス価値の要件を満たす必要がある。ムーブメント単体についても、FHの解説では製造コストの60%以上がスイス国内で支払われていることが定義として採用されている。この法令は2017年1月1日に施行された。以前からの要件、つまりスイス製ムーブメントを使うこと・スイスでケーシングすること・最終検査をスイスで行うことも、そのまま残っている。
出所: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
「60%」の中身
60%という数字は一つではなく、二重に効いている。まず腕時計という完成品全体として、スイス国内での製造コストが最低60%を占める必要がある(スイス時計協会(FH)の解説による)。これがFHの言う「スイス価値の要件」だ。
そしてムーブメント単体についても、別の60%がある。FHの解説では「スイス製ムーブメントに関しては、製造コストの60%以上がスイス国内で支払われていること」という定義が採用されているとある。つまり、完成品の60%ルールとムーブメントの60%ルールは、同じ数字だが別の階層の話だ。ここを混同すると、時計全体としては満たしていてもムーブメント単体では満たしていない、あるいはその逆、という誤読が起きる。
僕がfhs.swissの解説を読んだ限り、この2つの60%がどう積み上がって最終判定になるかという計算式までは、このページには書かれていない。数式レベルの詳細を知りたい場合は元となる法令の条文にあたる必要があるが、僕はその条文本体・FHがどの法令を根拠として明示しているかまではまだ確認していない。
60%ルール以前に残っている条件
2017年の法令改正で60%要件が強化される前から、次の条件は変わらず残っている。
- スイス製ムーブメントが使われていること
- スイスでケーシング(ムーブメントをケースへ組み込む工程)が行われていること
- 最終検査がスイス国内で導入されていること
この3つはFHの解説文にそのまま列挙されている項目で、僕が言い換えたものではない。60%要件はこの3条件に「上乗せ」される形で強化された、という位置づけになる。
施行日と、基準の切り替わり
FHの解説では、時計に関する新たな「スイス・メイド」の法令は2017年1月1日に施行されたと明記されている。つまり、2017年より前に製造された個体と、それ以降の個体とでは、適用される基準の数字自体が違う可能性がある。中古品や年代の分からない個体を見て「スイスメイドかどうか」を判定する時は、この施行日を意識する必要がある。
工業製品全般についても、別の公式ページ(fhs.jp・スイス時計協会)で「時計などの工業製品に関しては、Swissness(スイスネス)とは製造コストの少なくとも60%がスイスで支払われていること」と定められている、と確認できた。時計に固有の条件と、工業製品一般の条件が、同じ60%という数字で並んでいる形だ。
ムーブメント名から「スイス製」を判定できるか
短く言うと、僕はできないと考えている。ムーブメントのキャリバー名(ETA 2824-2など)だけを見て、それがスイス時計協会(FH)の解説にあるスイスメイドの60%要件を満たすかどうかを機械的に判定する材料は、今回確認した資料の中には無かった。
当サイトで確認しているのは、あくまで各キャリバーの諸元(振動数・パワーリザーブ・石数など)であって、原産地コストの内訳ではない。ETA 2824-2の確認済み諸元は/tools/eta-2824-2/のカルテにまとめてある。セリタSW200-1については、当サイトのカルテにまだ確認済みの数値が無い。この記事でも数値は書かない。
「このムーブメントを積んだ完成品がスイスメイドを名乗れるか」という問いへの答えは、最終的には完成品ブランドまたはメーカー自身の表記・認証で確認するしかない、というのが今回調べた範囲での僕の理解だ。
確かめ方と未評価
✅ 公式で確認した項目:60%要件の中身・従来からの3条件・施行日(2017年1月1日)── いずれもスイス時計協会(FH)のfhs.swiss / fhs.jp公式解説より、僕が2026-08-10に確認。 ✅ 手法は/methodologyを参照。 ❌ 未評価:個々のキャリバー(ETA 2824-2・セリタSW200-1を含む)がスイス時計協会(FH)の定めるスイスメイドの60%要件を実際に満たすかどうかの判定。当サイトはムーブメントの諸元確認を行っているが、原産地コストの内訳・認証の可否は評価していない。また、60%の計算式の根拠となる条文そのものの特定・原文確認もこの記事では行っていない。 🔄 法令・基準は改定されうる。スイスメイドの適合を最終確認したい場合は、必ず完成品ブランドまたはメーカー公式の表記を確認してください。
確認日:2026-08-10。仕様・基準は今後改定される可能性があります。